キャンディーズ時代
伊藤蘭さんは、1972年に、NHKの歌番組「歌謡グランドショー」のマスコットガールのオーディションに、田中好子(たなか よしこ)さん、藤村美樹(ふじむら みき)さんとともに合格します。
この3人は、「キャンディーズ」と命名され、マスコットガール兼アシスタント(イス・マイク運びなど)として活動します。
キャンディーズの名前の由来は、NHKの当時のプロデューサーの「食べてしまいたいくらいかわいい」という思いからつけられたのだそうです。
東京音楽学院のスクールメイツ出身の3人は、スクールメイツの中でも特に目立った存在ではなく、「歌謡グランドショー」のマスコットガール兼アシスタントに過ぎず、歌手デビューの予定はありませんでした。
しかし、「歌謡グランドショー」に出てしばらくたった頃、東京音楽学院をたまたま訪れた、当時渡辺音楽出版の社員だった松崎澄夫さんがキャンディーズの3人を見て、「かわいい子がいる」と目を留めます。
そして、キャンディーズの歌手デビューの予定がないと聞いた松崎さんは、そのままキャンディーズの歌手デビューを決定しました。
1973年に「あなたに夢中」で歌手デビューします。
当時は、メインボーカルは田中好子さん(ニックネームはスーちゃん)でしたが、3人の中で、伊藤蘭さんだけファン層が異なる(お姉さん的)ことをマネージャーが発見し、1975年発売の5枚目のシングル「年下の男の子」で、お姉さん的キャラクターの伊藤蘭さんをセンター・メインボーカルにすえて、方針転換をします。
これが当たって初ヒットとなり、オリコンでも初のベストテン入りを果たします。
1976年発売の「春一番」は、オリコンで当時最高の週間3位を獲得します。
個性の違う3人という組み合わせや、「8時だヨ！全員集合」などのバラエティ番組でコントまでこなす積極的なテレビ出演と、愛らしい振り付けを交えた数々のヒット曲により、幅広い人気を獲得しました。
しかし、1977年の夏、人気絶頂となりつつあったキャンディーズは、突如解散を発表します。
解散宣言をしたコンサートでの、伊藤蘭さんの「普通の女の子に戻りたい！」という発言はとても有名となり、流行語にもなりました。
1978年4月4日、後楽園球場にて、5万5千人を集めたお別れコンサートが行われ、4年半の活動に終止符が打たれました。
解散後は、一度も再結成を行いませんでしたが、プライベートでは時々3人で集まっていたそうです。
休業期間中は、旅行や映画鑑賞、運転免許の取得など、今までできなかったことをして過ごしたそうです。
映画や舞台を見ているうちに、燃焼しきれなかった女優への思いが膨らんで、新たな世界に挑戦する感覚で復帰を決意します。
そして、1980年、映画「ヒポクラテスたち」に主演し、本格的に女優復帰を果たし、第2回ヨコハマ映画祭で助演女優賞を受賞します。
倉本聰さん、山田太一さん、市川森一さんらの脚本作品に次々と出演します。
現在は？
伊藤蘭さんは、2019年5月29日にオリジナル・アルバム「My Bouquet（マイ・ブーケ）」をリリースし、1978年のキャンディーズ解散以来41年ぶりに、ソロ歌手としてデビューします。
2019年6月には、ソロ・コンサートを開催。
同アルバムは、オリコン週間アルバムランキングにて、8位を記録するなど、ロングセラーとなり、2019年末、第61回日本レコード大賞・企画賞を受賞しています。
2020年2月からも、ソロ・コンサートが開催され、ソロデビューアルバム「My Bouquet（マイ・ブーケ)」の楽曲や、キャンディーズ時代のナンバーも披露されました。
2020年10月24・25日にもソロ・コンサートが予定されています。
キャンディーズで大人気となってからも、女優、歌手として長く活躍されている伊藤蘭さん、これから予定されているコンサートや、今後の女優としての活躍も楽しみです。
以上、伊藤蘭さんについて、でした！
