芹洋子さんの記憶喪失
芹洋子さんは1991年5月、横断歩道を渡っているときにバイクに跳ねられ、路上に叩きつけられて意識を失い、「外傷性くも膜下出血」を発症します。
緊急手術を行い、一命をとりとめますが、意識を取り戻したのは1週間後でした。
そして、「逆行性健忘」（いわゆる記憶喪失）となり、見舞いに来た娘のことも、自分自身が歌手であることすらも忘れてしまうほどの深刻な後遺症が残ります。
当時の芹洋子さんは、わずか3ヶ月後にコンサートを控えた状態でした。
以降の予定は全てキャンセルもやむなしと思われましたが、主治医はこれを逆手に取り、脳のリハビリとして歌を覚え直すことを提案。
以後、歌手復帰を目指し、夫の伊東佳男さんと二人三脚で懸命のリハビリを続けます。
リハビリ中に聴かされた『四季の歌』も、初めて聴く曲のように感じたのだとか。
後遺症の深刻さがうかがえますが、懸命の努力が実ってついにコンサート開催にこぎつけます。
ラストに『四季の歌』を歌ったところ、「秋」の歌詞が出てこず、一瞬焦ったものの、お客さんたちが「秋を愛する人は」と助け舟を出してくれて、以後会場あげての大合唱。
その温かさに、本当に感激したといいます。
この経験で、自分は歌手としてもう一度やっていけると確信したのでしょうね。その時のことを振り返って、
人生は一度きりですが、私は二度目の人生をいただいたと思っています。
とコメントしています。
とても前向きで、素敵な言葉ですよね。お客さんたちの温かさが心にしみますが、そのような人たちに支えられる芹洋子さんもきっと素晴らしい人柄の持ち主なのだろうと思います。
事故から四半世紀以上が経ちますが、いまだに記憶の一部は戻ってきていないのだそうです。
それでも大勢の温かいファン、仕事仲間や友人、そして家族である夫と娘さんの温かい言葉で、かなりの記憶を取り戻しているといいます。
現在も、中国での公演や全国各地のコンサート、アルバムのリリースなど、歌手として精力的に活動しており、深刻な記憶喪失が残っているとは微塵も感じさせません。
まさに歌手として生まれ変わった「二度目の人生」を歩んでいるみたいですね。
以上、芹洋子さんについてでした！
