桂歌丸さんが、笑点の司会を勇退します。
その桂歌丸さんの今後は終身名誉司会とのことですが、どのようなものなのか。
また、今後は三遊亭円朝を学んで演じるとのことですが、どういう落語家なのか。
興味があったので調べてみました。
桂歌丸さんの今後
桂歌丸さんは引退後、「終身名誉司会」という位置づけにおさまるようです。
もう「笑点」そのものに司会として出演することはありませんが、「笑点」の直前に放映される5分番組「もう笑点」には出演し続けるのだそうです。
もうすぐ80歳になるのに、すごいエネルギーですよね。
高齢のために体力が衰え、また肺気腫という持病もあり、あまり無理はできない桂歌丸さん。
仕事の量はこれからセーブしていくようですが、落語家を辞めるつもりはなく、さらに落語の勉強を続けるつもりのようです。
桂歌丸さんは、「笑点50周年記念スペシャル」の公開収録後の記者会見で、
落語をやる以外に何もない。覚えるだけ落語を覚えて、毎年、(三遊亭)円朝ものを年2回くらいずつ、発表したい。もう、3本くらいストックしてある。その3本を発表しなければいけない。
と発言しています。
この向上心には本当に頭が下がりますよね。
三遊亭円朝とは?
さて、ここに出てきた三遊亭円朝ですが、どんな落語家なのか?
三遊亭円朝は、江戸末期から明治時代にかけて活躍した落語家で、歴代の名人の中でも特に別格の巧者とされ、また、多くの落語演目を創作した、伝説的な落語家です。
その口から語られる日本語は、あの言文一致運動で有名な二葉亭四迷が「浮雲」を執筆する際に参考にしたとされるほど、きわめて優れたものだったそうです。
当時の日本語は、話し言葉と書き言葉が一致していなかったのですが、この言文一致運動以降、小説などの書き言葉の文章が、普段の話し言葉に近い文体で書かれることになりました。
そういう日本語の大きな転換点の中で、三遊亭円朝は話し言葉の模範を示すという貢献により、現代日本語のありように非常に大きな影響を及ぼしたのです。
また、落語の創作においても、非常に優れた能力を発揮し、江戸時代以来の落語を大成します。
現代では三遊亭円朝の創作した落語こそが「古典落語」の代表であるとみなされているようです。
ですので、桂歌丸師匠の「円朝をやる」と言う表現は、クラシック音楽で例えると「バッハをやる」くらいの意味合いになるのでしょうね。
おそらく、落語家にとっての「円朝もの」というのは、古典落語の最高峰という位置づけにあることを考えると、桂歌丸師匠の80歳を迎えてもなお衰えないその向上心には恐れ入る他ありませんよね。
以上、桂歌丸さんの今後と、桂歌丸さんが模範とする三遊亭円朝についてでした!