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]]>山下完和さんの経歴や人物、アトリエころぼっくるはじめ、やまなみ工房の歴史や活動などが気になったので、調べてみました。
名前:山下完和(やました・まさと)
出身地:?(三重県伊賀市在住)
生年月日:1967年
職業:社会福祉法人やまなみ会・やまなみ工房施設長
山下完和さんは若い頃、トラック運転手やバーテンダーなど、20以上(!)もの様々な職を転々としていて、障害のある人たちの接点はもともとありませんでした。
そんな山下完和さんと、やまなみ工房との縁は、工房の職員だった友人に頼まれて忘れ物を届けに行ったことから始まります。
そのとき、施設にいた障害者の方たちがたくさん、山下完和さんに近づいてきて、その様子を見た山下完和さんは「自分は人気者なんだ」と舞い上がってしまったそうです。
同じシチュエーションで、驚いたり戸惑ったりせず、「俺ってモテるんだ」と思えるところが、山下完和さんの感性の非凡なところなのでしょうね。
戸惑うどころか、自分を受け入れてくれる人がたくさんいる居心地の良さに、ついつい居座ってしまい、現在に至るのだとか。
山下完和さん、見た目が「施設長」というよりは、アーティストっぽいですが、このような感性だからこそ、やまなみ工房の人たちの強みや魅力がよく見えた、ということなのでしょうね。
そういうきっかけで、山下完和さんは1989年5月から「やまなみ共同作業所」の支援員として就職しましたが、やまなみ工房は、現在のような「アート」「個性」を前面に押し出した施設ではありませんでした。
以前の名前「やまなみ共同作業所」からも分かるように、障害を持つ人たちの自立のため、一件あたり数円という内職の作業を、一日中ひたすら黙々とさせる、というような場所でした。
そのような施設だったのですが、ある日、転機が訪れます。
施設のメンバーの一人に、三井啓吾(みついけいご)さんという方がいて、いろんな絵を描いているのを山下完和は目にしました。
そのとき、絵そのものにはそれほど興味をひかれなかったそうですが、そのときの三井啓吾さんの表情が、今まで見たこともないくらい楽しそうだったのです。
それまで、三井啓吾さんが内職する姿を一年以上も見てきましたが、少しも楽しそうではなく、山下完和さんは、「三井くんには楽しいとか嬉しいといった感情があまりないのだろうか」と思っていたそうです。
そして、その三井啓吾さんの表情を見た山下完和さんは、それまでやっていた内職をすべて辞めさせ、絵を描いたり粘土細工をしたりなど、好きなこと、楽しいと思うことをさせるようにしたそうです。
それが「アトリエころぼっくる」のはじまりでした。
もちろん、最初は誰にも知られておらず、お金にもならない活動で、周囲から批判を受けたようです。
しかし、それでもめげずに、全国各地の展覧会の主催者のところへ赴き、自分たちの活動についてプレゼンし、何とか作品を展示してもらえないか、と頼み込むという地道な広報・営業活動が実を結び、さまざまなメディアから取り上げられるようになり、格段に注目度が上がりました。
また、近年「アウトサイダー・アート」「アール・ブリュット」という言葉とともに、障害を持つ人たちの感性に対する評価が高まってきているという風潮も追い風になっています。
現在ではアトリエころぼっくる以外にも、
スタジオこっとん(刺繍やお菓子作り、料理)
ぷれんだむ(機能訓練を中心とする体力づくり、絵画も)
もくもく(創作活動、公共施設のメンテナンス)
たゆたゆ(資源ごみの回収、粘土や絵画やお菓子作りも)
hughug(カフェ。接客)
など、幅広く活動を展開しています。
やまなみ工房に所属するアーティストとその作品は、こちらで見ることができます。
http://a-yamanami.jp/artworks/
所在地:滋賀県甲賀市甲南町葛木872番地(ハートヘルスパーク甲南内)
開所時間:8時45分~17時30分(土日祝休み、夏冬休みあり)
活動時間:10時~15時45分
作業見学時間:10時30分~15時
ギャラリー開館時間:10時~17時(月~金)
見学希望者には、カフェhughugにてランチも利用できます(人数が多い場合は要予約)。
2016年5月現在開催中の展覧会は、以下のとおりです。
展覧会名:You’ve Got a Friend
会場:やまなみ工房・Gallery gufguf
詳しくはやまなみ工房のホームページをどうぞ。
http://a-yamanami.jp/
山下完和さんのいちばん大きな気付きは、「障害者が健常者(普通)に近づく」という考え方そのものが違うんじゃないか、と感じるようになったことだそうです。
やまなみ工房での活動を通じて、「あるがままの自分を認められることこそが素晴らしい」と考えるようになったようです。
このようなことを口先で言うのはたやすいことですが、本当に障害を持った方たちと接して、何の違和感も感じずに、自分とまったく同じ人間として接するのは、健常者にとっては想像以上に難しいことです。
なぜならば、すぐに他人と自分を比較して、優越感に浸ったり、劣等感を持ったり、親近感を覚えたり、違和感を持ったりするのが人間だからです。
山下完和さんの言うようなことを実践するためには、そもそもこの優越感や劣等感という感覚を誰に対しても一切持たないような境地に達しなければなりません。
自分と他人の分け隔てのない境地、というと、なんだか仏教の悟りの境地みたいですよね。
山下完和さんは、少なくとも健常者と障害者という観点では、20年以上の経験の蓄積の上に、心からそのような境地に至ったのだろうと思います。
山下完和さんたちの活動がもっともっと普及し、障害を持つ人たちの姿と営みがもっともっと私たちの日常生活に身近になれば、きっと私たちは障害のあるなしに関わらず、よりフラットに接することができるようになるはずです。
そういう意味では、山下完和さんの活動は、非常に意義の大きい、価値のあるものだと思わずにはいられません。
最後に、山下完和さんのインタビュー動画がYouTubeにありましたので、ご覧ください。
以上、やまなみ工房と山下完和さんについてでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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]]>The post 石井夏喜(イシイナツキ)アポロの所属劇団はワハハ本舗・娯楽座。公演日程は? first appeared on My Favorite Topics.
]]>アポロの芸名で、ダンスに芝居に打ち込む石井夏喜さんでしたが、性同一性障害にずっと苦しみ続け、性別適合手術を受けた過去があります。
その石井夏喜(アポロ)さんの経歴出身などプロフィール、そしてアポロとして所属する劇団や公演日程について興味があったので調べてみました。
名前:石井夏喜(いしい・なつき)
芸名:アポロ
出身地:千葉県
生年月日:1986年7月2日
身長:159センチ
体重:60キロ
学歴:東放ミュージックカレッジ・ヴォーカリスト科卒業
所属:浅草ワハハ本舗・娯楽座(2014年~)
石井夏喜さんは、1986年千葉県生まれ。
女性として生まれましたが、幼少の頃より、心と体の不一致、いわゆる性同一性障害に悩まされてきました。
そして2014年のこと、自分らしく生きたい、と強く願った石井夏喜さんは、アポロ(芸名)として、芝居とダンスの世界に飛び込むことを決意し、浅草ワハハ本舗の娯楽座に入団します。
そして、あえて多くの人の目に自分の姿をさらすことで、自分自身の殻を破ろうともがき続けています。
浅草ワハハ本舗と言えば、あの久本雅美さんや柴田理恵さんの所属する劇団として有名です。
ワハハ本舗主宰者の喰始(たべ・はじめ)さんによると、娯楽座とは、
大衆演劇をモチーフにした新しい大衆演劇。名付けて劇団『娯楽座』。いろんな曲が出てきて、いろんなダンスがあり、 いろんな笑いがあって、涙なくしては見れないエンターテインメント。
引用元: ワハハ本舗公式サイトより
とのことです。公式紹介動画はこちらです。
2014年に立ち上げたばかりとのことで、本当にごく若い集団です。
石井夏喜(アポロ)さんの入団も2014年とのことですので、まだ年数は浅いですが、創設時からのメンバーということになりますね。
現在ワハハ本舗では、劇団の全体公演「ラスト」3部作を実施しています。
2013年に「ラスト」、そして2016年に「ラスト2」が公演され、2017年の「ラスト3」で、この全体公演は幕を閉じるとのことです。
2016年の「ラスト2」には石井夏喜(アポロ)さんも出演します。
2016年「ラスト2」の日程は、5月8日~5月15日に東京国際フォーラム・ホールCでの公演を皮切りに、5月から7月にかけて、大阪・北海道・新潟・宮城・福島・山形・長野・富山・熊本・福岡・愛知・静岡の各地で巡回公演が行われます。
詳しくはこちらをご覧ください(掲載期間は2016年7月16日まで)。
http://tickets.yahoo.co.jp/special/wahaha/
ザ・ノンフィクションでは「不幸の履歴書」というサブタイトルが付いています。
実は、ワハハ本舗では「自己紹介」のことをこう呼ぶのだそうです。名付け親は、ワハハ本舗を主宰する喰始(たべ・はじめ)さんで、
「自分の身の上に起きた不幸な出来事だけで履歴書を作り、発表する」
という劇団員のワークショップのことを指すのだとか。
なぜこんなことをするのか?
喰始さんによれば、「『ない』は『ある』をつかむ絶好のチャンス」「不幸は幸福の始まり」なのだそうです。
徹底して自分の不幸や、「自分には何もない」という感覚を自覚することによって、そこに活路や光を見出すことができる、ということなのでしょうか。
自分自身のネガティブな状態というのは、ただ単にぼんやり感じていて、「不幸だ、苦しい」と言っているだけでは改善しない。
つらくても、自分の現状をつぶさに観察し、徹底的に冷徹な目で自分を客観視することで、はじめてその状態からの脱却のヒントを得ることができる、といったところでしょうか。
ただ、それをシリアスにやってしまうと、心の弱い人は耐えられないかもしれません。
そこで、喰始さんは、そんな「不幸」を「履歴書」として、徹底的に笑いに変えます。
たとえば、「私は1歳で母に捨てられ、2歳で父に捨てられ、養護施設で育ち、5歳で今の両親に引き取られました。その時から私の不幸が始まったのです」という自己紹介があったそうです。
書き言葉だと伝わりにくいですが、「母に捨てられた時点ですでに不幸だろう!」というツッコミが入って、現場に居合わせた人は大爆笑だったそうです。
この話を聞いて、なるほどなと思いました。
自分では大きな不幸だと思っていても、他人が聞くと大したことない、ということは往々にしてあります。
ずいぶん覚悟して、やっとの思いで、自分のつらい、苦しい過去を告白したところ、「なんだそんなことか」といった顔をされてしまう。
その反応に愕然とするかもしれませんが、それと同時に、実は大したことないんだ、ということに自分自身が気付き、心が軽くなる、という作用もあるようです。
おそらく喰始さんも、そのような効果に気づいているのでしょうね。
また、喜劇は、自分自身を客観視して、自分自身の不遇さを笑いに変えるという要素もありますので、そのための訓練という意味もあるかもしれません。
いずれにしても、目からうろこの、斬新なアイデアだな、と思いました。
石井夏喜(アポロ)さんも、この「不幸の履歴書」ワークショップで、だいぶ救われたところもあったでしょうね。
最後に、アポロさんが舞台で演じている姿がYouTubeにアップされていたので、ご覧ください。
客席ばかりでなく、共演者からも笑いが漏れてますね^^;
自分の内面にマイノリティとしての苦悩を抱えながら、これほど人を笑わせられるのはすごいことだと思います。
石井夏喜(アポロ)さんは今後どのように成長していくのでしょうか。
今後もとても楽しみな役者さんですね。
以上、石井夏喜(アポロ)さんについてでした。
ザ・ノンフィクションで取り上げられたジョン&マキさんはこちら
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]]>The post ジョン&マキの逆転夫婦の結婚のありようについて思ったこと。 first appeared on My Favorite Topics.
]]>性的なマイノリティであるという境遇、迫り来る老い、これら逆境に立ち向かうお二人の姿を私たちは目の当たりにすることになります。
そのジョン&マキさん、どんな方たちなのか、その結婚のありように興味があったので調べてみました。
名前: 宮本佳枝(旧姓:吉田)
出身地:群馬県前橋市
学歴:伊勢崎市立女子高等学校全日制普通科卒業
名前:宮本昌樹
出身地: 茨城県水戸市・那珂湊市(現在・ひたちなか市)
学歴:早稲田大学教育学部卒業
戸籍上はジョンさんが女性でマキさんが男性です。
そのためか、結婚後の姓は律儀に?戸籍上の男性であるマキさんのものになっているところが、興味深いと思いました。
ジョンさんとマキさんの馴れ初めは、ジョンさんの経営していたパブに、マキさんが最初ゲストとして訪れていたことから始まりました。
以後二人は人三脚で、飲食店をはじめ、様々な職種を転々としながら、やがて「友情結婚」を果たします。
「逆転夫婦」第一号となったジョン&マキさんのカップルは、一躍有名になり、さまざまなメディアに取り上げられるようになります。
お互い、性的に少数派で、通常の恋愛は難しく、また、たとえ恋人が見つかっても結婚は法律上不可能ということで、「お互いを支え合う」という意味での「友情結婚」という選択肢を取ったわけですね。
新しいカップルの形を示してみせたという点で、お二人の貢献はとても大きいものです。
とは言え、現実は厳しく、友情結婚に至るまでも、至った後も、様々な葛藤があるようです。
詳しいことはジョン&マキさんのホームページに詳細が書かれています。
ジョン&マキさんのホームページ
http://www5e.biglobe.ne.jp/~johnmaki/
何と言うか、どのような傾向を持つにせよ、人が加齢とともに抱える悩みや不安は共通なんだな、と思いました。
ただ、ジョン&マキさんの場合は、それに加えてマイノリティとしてのさまざまな社会的障害や葛藤があるわけで、それを乗り越えて、明るく前向きに生きようとしているその姿には、心を打たれないわけにはいきませんでした。
ところで、ジョン&マキさんのホームページを見ていて、気になった表現が一つだけありました。
それは、ご自分たちの性的な傾向について「一生治らない」と表現していたところです。
たとえば、生まれ持った顔立ちや体型について「治る」「治らない」という表現をすることは普通ないですよね。
個人的には、堂々と胸を張っていればよいと思いますが、やはり偏見を持っている人も少なくなく、そういう圧力を常に感じながら生きてきたのでしょうね。
他人事だからこんなことを言ってしまうのかもしれません。実際当事者になったら、今の日本のような環境で「堂々と胸を張る」のは、尋常じゃない心臓の強さが必要なはずです。
ジョン&マキさんの境遇というか、大変でつらいことが多かったのだろうなあ、と想像せずにはいられませんでした。
それと同時に、たとえばテレビでマツコ・デラックスさんやミッツ・マングローブさんのような方たちを、何も考えずに「この人面白いなあ」と能天気に見ていた自分を少し振り返ってしまいました。
とは言え、人は誰でも、ある側面においてはマイノリティで、そのマイノリティさにおいて「孤独感」や「理解されなさ」を感じているわけなので、結局人はみな同じなのかな、とも思いました。
もっとも、こういう考え方は「理解が足りない」のかもしれません。
何と言っても、人間にとって「性」というものは特別で、そのことで通常とは異なる、ごく少数派に属するというのは、やはり想像を絶するものなのかもしれないからです。
普通の人が普通に持つ普通の悩みと同列に論じるのは、ジョン&マキさんをはじめとする、性的マイノリティの方々に失礼なのかもしれません。
いろいろ考えてしまいましたが、よい機会でした。
ジョン&マキさんには、悲しみを抱えながらでも、これからも前向きに精一杯生きて、その姿を私たちに見せ続けてほしいなと思いました。
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