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綾戸智恵さんの母親が認知症に!

2004年11月のこと、綾戸智恵さんの母親は78歳の時に突如倒れ、脳梗塞と診断されます。

その時は右半身に麻痺が出たものの、認知症は発症していませんでした。

その後、引っ越しの準備をしていたときに業者とぶつかったことがきっかけで、母親は大腿骨を骨折します。

骨折自体は手術で治ったものの、それを契機に認知症になってしまったのだそうです。

「痛みから逃れたい」という思いが強かったり、生活環境がガラリと変わったりすると、一種の拒絶反応として認知症が起きることがあるのだそうです。

母親が認知症を患うようになってから、綾戸智恵さんの介護と仕事を両立させる日々が始まりました。

介護生活は壮絶で、母親の排泄や絶叫などによりしばしば睡眠を中断させられ、1日3時間くらいしか寝られない日が続いたといいます。

あまりにも辛かったため、一時は母親と心中したい衝動に駆られたこともあったのだそうですが、

「残された息子が一生、殺人者の子として生きていくことになる」

と思いとどまったのだそうです。

それまで介護は自分ひとりで全部こなしていましたが、1人で抱え込むことの危うさを痛感。

以後、人の助けを借りたり、母親の認知症に対する考え方や見方を変えることで、だいぶ楽になったといいます。

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とは言え、やはり大変であることに変わりはなく、2010年3月には、介護疲れから精神安定剤を規定量以上に服用して意識を失い、救急車で病院に搬送されたことが話題になりました。

ただ、ある時に母親から一言「ありがとう」と言われたことがあって、その時は嬉しくて涙が出てきたのだそうです。

綾戸智恵さんはその時のことを、

親からありがとうっていわれるほどの名誉はないよ。もうその一言でそれまでの疲れが全部吹き飛ぶ思いでした

と述懐しています。

また、母親が認知症を患ってから、初めて「本当の父親」の存在を明かされたといいます。

それから綾戸智恵さんは、実の父親の足跡をたどり、自分の「ルーツ」を探し始めました。

実の父親は母親の28歳年上で旅回りの劇団の座長で、綾戸智恵さんが2歳の時に55歳の若さで亡くなっていたのだそうです。

何十年もの間、秘密にしていたことをついに語るというのは、母親にどういう心境の変化があったのでしょうかね?

母親の「ありがとう」の一言で綾戸智恵さんがものすごく喜んでいたことと合わせると、いろいろ想像が膨らんでしまうところかもしれませんね。

元夫のDVや息子の不登校や障害、母親の認知症や介護など、苦難の人生の歴史と言えますが、それらもすべて乗り越えて、明るい笑顔でパワフルにジャズシンガーとして活躍を続ける綾戸智恵さん。

一時は危うい時期もありましたが、これからも無理をしすぎずに、私たちにその素晴らしい歌声を届け続けてほしいですよね。

以上、綾戸智恵さんについてでした!